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及川 哲邦; 福島 誠一郎*; 高瀬 英和*; 内山 智曜*; 村松 健
Transactions of 16th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-16) (CD-ROM), 8 Pages, 2001/08
原研では、軽水炉モデルプラントの地震に関する確率論的安全評価(PSA)を実施してきたが、その主要な支配因子となった起因事象としての外部電源喪失は、開閉所の碍子類も含めた碍管付き起動変圧器の損傷で引き起こされると仮定し、外部送電線網の影響は考慮しなかった。1995年兵庫県南部地震の際には、変電所等で、多くの変圧器、遮断器の震害事例が報告されている。そこで、これら震害事例をもとに、変圧器、遮断機、断路器、送電鉄塔のような、主要な設備・機器のフラジリティ・パラメータを評価し、外部送電線網の地震時信頼性を評価した。さらに、これら外部送電線網の地震時信頼性も考慮して、軽水炉モデルプラントの炉心損傷頻度を再評価した。その結果、外部送電線網の地震時信頼性が炉心損傷頻度に及ぼす影響はさほど大きくはないことがわかった。
幕内 恵三
放射線利用における最近の進歩, p.87 - 100, 2000/06
高分子材料の放射線加工について解説した。取り上げたトピックスは、橋かけ、分解、硬化、重合、グラフト重合である。最初に放射線高分子化学反応を説明した。放射線橋かけの応用では、電線・ケーブル、タイヤ、発泡プラスチック、熱収縮チューブ、超耐熱繊維、ハイドロゲル、放射線加硫等の実用化例を紹介した。放射線分解では、セルロースや多糖類の最新の情報を紹介した。放射線グラフト重合と放射線硬化では、競争技術について触れた。放射線重合では、カチオン重合性モノマーの高線量率電子線乳化重合への期待を述べた。
幕内 恵三
ポリマーダイジェスト, 51(3), p.81 - 98, 1999/03
放射線加工のなかでもっとも実用化の進んでいるプラスチックの放射線橋かけについて、応用の基礎となるプラスチックの放射線橋かけによる物性変化をレビューし、次いで放射線橋かけの御三家といえる電線・ケーブル、発泡体、熱収縮チューブの現状をまとめ、放射線橋かけによるプラスチックの物性変化では、実用上重要な機械的性質、熱的性質、電気的性質、化学的性質などの変化を解説した。各分野の現状及び動向を見た後、リサイクルできる橋かけ製品の開発と生分解性プラスチックの放射線橋かけについて将来を展望した。
小原 建治郎; 角舘 聡; 岡 潔; 田口 浩*; 伊藤 彰*; 小泉 興一; 柴沼 清; 八木 敏明; 森田 洋右; 金沢 孝夫; et al.
JAERI-Tech 99-003, 312 Pages, 1999/02
【本報告書は、諸般の事情により、全文ファイルの公開を取りやめています。】ITER(国際熱核融合実験炉)の工学R&Dにおいて、日本ホームチームが分担し、進めてきた遠隔保守装置用機器・部品の線照射試験の結果と耐放射線性機器の現状について述べる。試験された機器・部品の総数は約70品目で、その仕様は市販品、市販品を改良・改質した機器、及び新規に開発した機器に分類され、高崎研究所の線照射施設を使用して実施された。その結果、セラミック被覆電線によるACサーボモータ、耐放射線性ペリスコープ、CCDカメラが開発された他、高線照射下で使用可能なITER用遠隔保守装置用機器・部品の開発が着実に進展した。
森田 洋右; 八木 敏明; 池原 潤一郎*
電気学会誘電・絶縁材料研究会資料; DEI-99-12, p.23 - 26, 1999/02
原子炉用電線ケーブル絶縁材の放射線と熱劣化を光音響法で調べた。波長を選択すれば、光音響法で高分子材料の劣化を検出することができた。これを電線ケーブルの劣化診断に応用した。
森田 洋右; 八木 敏明; 池原 潤一郎*
電気学会誘電・絶縁材料研究会資料; DEI-99-13, p.27 - 30, 1999/02
原子炉用電線ケーブル絶縁材の放射線と熱劣化を発生ガス分析及び酸素消費量から解析した。この結果、100C以下の低い温度領域での劣化の活性化エネルギーを精度よく求めることができた。活性化エネルギーは14~20kcal/molであり、従来知られていたものより低い値を示した。
中島 伸也
日本原子力産業会議動力炉燃料・材料ガイドブック, p.329 - 349, 1998/00
本著は、日本原子力産業会議の原子動力研究会の一つである、燃料・材料勉強会での内容をベースに、動力炉の燃料及び材料に関するガイドブックを出版することとなり、関係者で分担執筆したものである。著者は、本著の第7章原子力発電プラントの寿命管理の前半部を担当した。寿命管理と課題では、プラントの機器・構築物を3種類に区分し、交換が極めて困難な機器・構築物を区分Aとし、その代表の原子炉圧力容器、コンクリート構築物及び一部の電線類であるとした。材料、構造、環境のそれぞれが3次元的であり、時間依存性を含む複雑な4次元の現象であり、これらの経年劣化解析では、機器・構築物の機能劣化とを関係づける最適な手法の構築が重要であることを記した。各国での動向は、米国が先頭を走っているが、その背景は各国必ずしも同じではないため、我が国独自の対応策が必要であることを記した。
森田 洋右
プラスチックス, 49(4), p.110 - 112, 1998/00
原子力機器・装置に使用される高分子材料についての概説。放射線下で使用される電線・ケーブル材料、パッキング材、フィルタ、放射性廃棄物固化体など例を上げて説明した。
小原 建治郎; 角舘 聡; 岡 潔; 古谷 一幸; 田口 浩*; 多田 栄介; 柴沼 清; 小泉 興一; 大川 慶直; 森田 洋右; et al.
JAERI-Tech 96-011, 111 Pages, 1996/03
核融合実験炉の炉内遠隔保守システムは、高ガンマ線照射下(平均310R/h)で使用される。このため遠隔保守システムを構成する多くの機器、部屋には、従来の原子力機器、部屋の持つ耐久性を大きく超えた強度(10MGy照射、100MGyを目標)が要求され、新たな耐放射線性機器、部屋の開発が求められている。本試験では、高崎研のガンマ線照射施設を利用し、平均110R/hの線量率下で10MGy照射の照射試験を実施した。その結果、新規に開発したモータやペリスコープ、高温下(250C)で照射した電気絶縁材料としてのポリイミドに10MGy照射の耐久性が確認された。
瀬口 忠男
第22回日本アイソトープ・放射線総合会議論文集, 0, p.A330_1 - A330_10, 1996/00
窒化ケイ素繊維は高分子繊維をプリカーサーとして合成されるが、この合成プロセスに放射線照射を利用することにより、電気絶縁性、耐熱性、高強度の長繊維を製造する技術を開発した。この繊維を用いて、可とう性のある電線ケーブルを試作した。これは1000Cまでの高温環境で使用できる。
瀬口 忠男; 岡村 清人*; 神村 誠二*
ニューセラミックス, 8(11), p.13 - 16, 1995/11
放射線利用により、ケイ素系高分子(ポリカルボシラン)繊維から窒化ケイ素繊維を合成した。この繊維は強度が2.5GPaで、耐熱性は1300Cであり、電気絶縁性のきわめて高い材料である。この特徴を活かして、高温環境の電線ケーブルに応用した。可とう性があり、1000Cの高温環境に十分耐えるので、核融合炉の電線として期待できる。
春山 保幸; 橘 宏行; 小嶋 拓治; 岡本 次郎*; 柏崎 茂*; 松山 茂樹*; 柳生 秀樹*
Radioisotopes, 44(8), p.507 - 513, 1995/08
原子力施設等の放射線場で用いられている機器部品や電線被覆材等の耐放射線性の評価および余寿命の予測に必要な線量測定のため、アラニン/ESR線量計の低線量率、長時間照射下の特性を明らかにした。線量率0.45Gy/h、1.97Gy/hで総線量a/kGy、1kGyを25Cから80Cの異なる温度で照射した模擬環境下で、アラニン線量計の有効性を調べた。また、照射中及び照射後の温度を変えて線量応答の安定性も明らかにした。アラニン線量計の線量応答は、0.45Gy/h、2000hの低線量率・長時間照射下においても、60C程度までであればその線量応答値は1kGyまで線量に直線的に比例し増加した。この線量率及び照射温度範囲では、補正なしで積算線量測定が可能であることが明らかとなった。線量応答値は照射中の温度に依存し、線量率の0.45及び1.97Gy/hで総線量0.1kGy及び1kGyでは、温度係数0.1%/Cの直線関係を示した。
瀬口 忠男
プラスチックス, 46(4), p.61 - 63, 1995/00
原子力施設で使用されているプラスチックやゴム材料について、特性と応用例、今後の展望を解説した。特に、応用の具体例を写真で示し、特長を示した。
廣木 成治; 阿部 哲也; 井口 昌司*; 山田 浩一*; 高山 勝*; 村上 義夫
真空, 38(3), p.291 - 294, 1995/00
核融合炉環境のように高放射線場において使用可能な真空ポンプを開発するため、セラミック被覆電線を用いたターボ分子ポンプ用モータを試作した。モータのコイル用電線は普通、高速回転の巻線機にかけられるため、その絶縁層には過酷な曲げの力や引張り力が加わっても剥離しないこと、適当な滑りを有すること等の特性が要求される。この特性を満たすため、セラミック被覆電線はセラミックスと有機物の多層構造となっており、巻線後にコイルを焼成し、一体化する。試作したモータの大気中回転試験では、固定子コイルの絶縁に有機物を使用した従来品とほぼ同等の性能が得られた。
杉山 政彦*; 仁田 真*; 八木 敏明; 瀬口 忠男
DEI-94-88, 0, 9 Pages, 1994/12
難燃XLPE、特殊耐熱PVCを用い、空気中、酸素加圧下及び真空中で線照射を行い、ゲル分率及び機械特性とXMA分析より求めた酸化領域との関係を検討し、放射線劣化の特徴を調べた。照射試料のゲル分率は酸化層と架橋層の厚さによく対応し、ゲル分率測定から放射線劣化における酸化層を推定できることがわかった。機械特性はXLPE及びPVCとも酸化層の増加とともに低下し、特に、試料表面の酸化劣化が大きい試料ほど、ノッチ効果の影響は顕著に現れることが明らかになった。
小原 建治郎; 角舘 聡; 岡 潔; 古谷 一幸; 田口 浩*; 多田 栄介; 柴沼 清; 大川 慶直; 森田 洋右; 横尾 典子*; et al.
JAERI-Tech 94-003, 73 Pages, 1994/08
【本報告書は、諸般の事情により、全文ファイルの公開を取りやめています。】最大10R/hと推定される、放射化された核融合実験炉の炉内機器の組立/保守作業は、すべて遠隔操作装置を用いて行われる。従って、遠隔装置を構成する各種機器、部品の耐放射線性の向上は、核融合実験炉用遠隔保守システム開発の主要な課題である。炉構造研では、高崎研のガンマ線照射施設を利用して、遠隔操作装置の主要構成機器であるACサーボモータ、ペリスコープ、潤滑剤、各種センサ、電線他について、~10R/hの照射線量率下で10rad以上の照射試験を実施するとともに、それら機器の耐放射線性の開発を進めている。本作業はITER工学R&Dの一環として行われたもので、本報告は、その途中経過についてまとめたものである。
山野 憲洋; 杉本 純; 丸山 結; 日高 昭秀; 工藤 保; 早田 邦久
Nuclear Engineering and Design, 145(3), p.365 - 374, 1993/12
被引用回数:2 パーセンタイル:29.79(Nuclear Science & Technology)事故時格納容器挙動試験(ALPHA)計画の電線貫通部リーク定量化試験では、PWRで用いられている電線貫通部の中でリーク発生の観点から重要と思われるアルミナ磁器モジュールとシリコン樹脂部分を取り出して試験体を製作し、シビアアクシデント時におけるそれらの挙動を実験により調べている。事故時に予測される高温状態下ではシリコン樹脂は溶融するが、その溶融進展には電線貫通部の金属部分が影響を与えることがわかった。アルミナ磁器モジュールは、事故時に予想される格納容器内熱水力状態よりもさらに高温、高圧で実施された試験でも健全性を失わなかった。実験から、研究対象とした電線貫通部からはシビアアクシデント時にもリークは発生しないであろうと予測される。実験で得られたデータは、他の型の電線貫通部の挙動も予測できるような汎用解析モデルの開発にも用いられる。
八木 敏明; 瀬口 忠男
DEI-92-114, p.63 - 71, 1992/12
電線・ケーブル絶縁材料の放射線と熱による複合劣化から寿命を推定するために、酸化劣化を高感度で検出できる化学発光分析法について検討した。エチレンプロピレンゴム(EPR)を用い、低温から高温までの広い温度域における酸化速度を調べるとともに、放射線照射による熱酸化の加速を解析した。酸素中で照射を行うと、試料の発光量は線量に依存して増大し、各温度での発光量はごく初期にピーク値をもつ曲線となる。一方、照射後真空中熱処理により照射中に蓄積した発光種を消滅させた場合には発光量は線量に依存するが経過時間に対しては一定の値を示す。この時の発光量は40Cから140Cの温度領域においてアレニウスの式に従い、その活性化エネルギーは58kJ/molの値を得た。この値は機械的特性の劣化より求めた均一酸化領域での値に対応していることが分かった。
山野 憲洋; 杉本 純; 丸山 結; 日高 昭秀; 早田 邦久
JAERI-M 92-055, 14 Pages, 1992/03
本報告書は、事故時格納容器挙動試験(ALPHA)計画電線貫通部リーク定量化試験の中で実施したシリコン樹脂実験についてまとめたものである。実験では、電線貫通部のシリコン樹脂部分を模擬した試験体をほぼ大気圧に保たれた試験容器内に設置し、格納容器内に相当する試験容器の高温側に水蒸気を供給しながら加熱し、格納容器外に相当する試験容器低温側には乾燥した窒素ガスを流して約288Kに保った。実験は2回行い、試験容器高温側を288Kから約1K/分の昇温速度でそれぞれ515Kと640Kまで上昇させた。試験体内部に配置した熱電対の温度分布から樹脂の挙動を推定し、リーク開始は窒素ガスの露点の変化で検出した。2回の実験では、試験容器高温側温度が約410Kと430Kの時リークが始まった。実験後の試験体検査からリーク開始時の経路はシュラウドに沿って形成されたと推定される。
山野 憲洋; 杉本 純; 丸山 結; 日高 昭秀; 早田 邦久
NUREG/CP-0120, p.439 - 455, 1992/00
事故時格納容器挙動試験(ALPHA)計画の電線貫通部リーク定量化試験では、PWRで用いられている電線貫通部の中でリーク発生の観点から重要と思われるアルミナ磁器モジュールとシリコン樹脂部分を取り出して試験体を製作し、シビアアクシデント時におけるそられの挙動を実験により調べている。事故時に予測される高温状態下ではシリコン樹脂は溶融するが、その溶融進展には電線貫通部の金属部分が影響を与えることがわかった。アルミナ磁器モジュールは、事故時に予想される格納容器内熱水力状態よりもさらに高温、高圧で実施された試験でも健全性を失わなかった。実験から、研究対象とした電線貫通部からはシビアアクシデント時にもリークは発生しないであろうと予測される。実験で得られたデータは、他の型の電線貫通部の挙動も予測できるような汎用解析モデルの開発にも用いられる。